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Roswell Park Cancer Instituteに派遣訪問してきました
2016.03.22

Roswell Park Cancer Instituteに派遣訪問してきました

今回、南先生が科研費の研究代表として採択されている文部科学省科学研究費新学術領域研究の研究活動の一環として、「がん支援」国際交流委員会の海外派遣事業による助成をいただき、平成28年2月15日から24日までアメリカはニューヨーク州バッファローにあるロズウェルパークがん研究所 (Roswell Park Cancer Institute: RPCI) のIrwin Gelman教授の研究室で、共同研究の推進や論文投稿の最終調整と実験をしに行ってきました。RPCIは、細胞培養に用いる基礎培地のRPMI1640 (Roswell Park Memorial Instituteの略) を創出した歴史のある、米国で最初に創設されたがん研究所です。本研究所の腫瘍遺伝学分野長であるGelman教授は、がん遺伝子Srcの発見に貢献された花房秀三郎先生の研究室(ロックフェラー大学)出身で、足場タンパク質AKAP12 (A-kinase Anchor Protein 12)を同定し、この分子の転移抑制遺伝子としての機能解析を中心にがん転移に関する研究を行っています。

 私は平成23年から平成27年までのおよそ3年半の間、この研究室にポスドクとして在籍し、がん微小環境、特に転移微小環境におけるAKAP12の機能解析を行っていました。現在は、熊本大学で南先生とともに血管内皮細胞の恒常性維持機構や病的血管内皮の特性を転写・細胞・臓器・個体レベルで解明し、がんをはじめ多くの疾病を含む血管疾患の病態解析、新規治療法開発への応用基盤となる研究を目指して日々精進しています。

 

 と、難しい研究の話はこのくらいにして、少しだけニューヨーク州の小話を。ニューヨークと聞けばやはりタイムズスクエアやエンパイアステイトビル、プロードウェイなどがあるマンハッタンを想像する方が多いと思います。それもそのはず、なんせ世界一の都市です。しかし、ニューヨーク州はかなり大きく、実は北海道と九州を足したほどの面積があります。そのため、そのほとんどはカントリーサイド(いわゆる田舎)です。私のいたバッファローはニューヨーク州第2位の都市ですが、1位のマンハッタンとは雲泥の差です。ただ、有名なナイアガラの滝があります。ちなみにその滝による水力発電で、マンハッタンに電気を売っています(結構、しっかり者です)。住人の人柄も良く、現地の友人と研究話やバカ話をしているととても良い刺激になります。彼らも私達と同じ志を持って、真摯に研究に取り組んでいますし、日常生活をエンジョイしています。

 表現型解析分野では、国際的な共同研究や学会、研究者間の交流を活発に行っています。必要なのは話しかける勇気と大和魂で、英語力とかは後から付いてきます。我々の研究内容や海外の話(全員海外での研究経験あり)など、興味のある方はいつでも立ち寄ってください。

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写真1: RPCI Main Hospital (左上), RPMI (右上), 研究していたCancer Genetics and Pharmacology building (左下), かつてのマイデスク&ベンチ(右下)

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写真 2: 最も尊敬するボスの一人、Gelman教授。ディスカッションは自然と笑顔になります。

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